一人称は絶対に間違えちゃダメ!

一人称とは「自分のことを」を指す言葉です。代表的なものとしては「僕」や「私」がありますね。一人称は年齢や話す相手、シチュエーションによって使い分けられるものですから、同じ人でも常に複数の一人称を使い分けながら生活していることになります。

一人称を間違えてしまうと、緊張感のある場面なのに間が抜けてしまったり、逆にリラックスした場面なのに妙にピリピリしてしまったりと、ちぐはぐで頓珍漢な印象を周りに与えてしまうのです。

一人称も他の敬語と同じく慣れが必要ですが、正しく覚えて正しく使う習慣を守っていれば自然と場面に応じた一人称がスラッと出てくるようになるでしょう。


一人称だけでもこんなにある!

では、代表的な一人称を一覧で見てみましょう。日本語には他にもたくさんの一人称があるのですが、今回はその中でもある程度頻繁に使われる物だけを集めてみました。

私(わたし) 最もオーソドックスな一人称です。ビジネスシーンでは一番「間違いのない」一人称と言えるでしょう。
私(わたくし) 「わたし」よりもやや固い表現になります。公の場で声明を発表する時などに使用します。逆に一般的な会話で使う場合は、相手が相当目上の人である場合のみとなります。
僕(ぼく) 柔らかい表現の一人称です。職場の同僚と話す場合や、プライベートであまり親しくない人と話す際に使われます。
俺(おれ) 完全にプライベートな一人称です。親しい仲間や兄弟、親族等に対してのみ使う一人称ですね。
自分(じぶん) 体育会系の匂いのする一人称です。ビジネスの場でも使う人がいますが、これは正しい使用法とは言えません。特殊な職場でない限り、「自分」を一人称として使うのはやめましょう。「自分」の使用は学生時代で卒業するべきです。
ミー 完全にふざけている時の一人称です。例外として上司が英語圏の外人だった場合には使うことがあるかもしれません。
当方(とうほう) ビジネスの場で使われる一人称です。自分個人というよりも自分の所属する企業や団体としての意見を述べる場合に使われます。顧客からのクレーム対応などでもよく見かける一人称ですね。
小職(しょうしょく) 当方と同様にビジネスの場で社外の人に対して使う一人称です。当方との違いは、企業団体の公式な意見、声明というよりは個人的な所感を述べるような際に使われる点です。
小生(しょうせい) 男性が使う一人称です。口頭で使われる一人称ではなく、書簡でのみ使われます。