仕組みが分かれば上達も早い!

普段あまり敬語を使わない若い人にとって、就職活動で急にかしこまった態度をとろうとすると意味不明な敬語が口から飛び出してしまい焦ってしまうことが多々あります。敬語の使い方を上達するには一番良いのは「普段から使い慣れる」ことですが、よりスピーディーにマスターするためには予備知識として敬語の仕組みを理解しておくべきです。

今回は敬語の簡単な仕組みや種類、そしてオマケとして敬語の失敗例をご紹介したいと思います。敬語は小学生や中学生の時に一通り国語の授業で習っているはずですから、解説を読めばすぐにピン!とくる人も多いと思います。敬語は我々日本人にとってとても重要な文化です。皆さんも必ず身につけてくださいね。

敬語にも種類がある!

敬語には主に3つの種類があります。一つは「尊敬語」です。これは純粋に相手を高め、褒め称える意味で使います。相手の行動について表現する場合に利用することが多いですね。例:「いらっしゃる」「なさる」「おいでになる」

二つ目は「謙譲語」です。謙譲語は尊敬語とは逆に自分の行為についてへりくだる際に使います。「へりくだる」は「謙る」と書きます。漢字で見れば意味がわかりまるね。例:「差し上げる」「申し上げる」

最後に三つ目は丁寧語です。丁寧語は自分の行為についても、相手の行為についてもどちらにも使うことができます。一番簡単な敬語で、その名の通り「丁寧な話し方」を意識すると自然に出てくる言葉です。例:「です」「ます」「ございます」

他にも名刺に「お」や「ご」を付ける「美化語」というタイプの敬語もあります。いずれにせよ一番気をつけなくてはならなにのは尊敬語と謙譲語を逆に使ってしまうパターンです。これは相手に対してとても失礼にあたる間違いなのです。


敬語の失敗例!こんな使い方には注意しよう!

ケース1 目上の人に対して「ご苦労様でした」
ご苦労様、という言葉は本来目下の人に対して使う言葉です。例えば上司が徹夜で頑張った部下を労う際に使います。目上の人に対しては「ご苦労様」ではなく「お疲れ様です」と言うようにしましょう。ちなみに、その理由はハッキリと分かってはいませんがあくまで慣例的にそのようなルールとなっています。

ケース2 とんでもございません
これもよくある間違いです。「とんでもございません」は「とんでもない」を敬語にした言葉だと勘違いしている人が多いようです。この「とんでもない」は一つの塊として扱うべき形容詞で、「とんでも」と「ない」は切り離せないのです。ですから正解は「とんでもないことでございます」となります。他にも「情けない」や「みっともない」も同様に「情け」と「ない」を切り離すことができません。(確かに情けございません、という人はいませんよね。)

ケース3 お声が小さくて聞き取りにくいのですが(電話にて)
周りがうるさかったり、電波状態が悪い場合、電話での相手の声が聞き取りにくいということはよくあります。その時は相手にもう一度同じ発言を促さなくてはならないのですが、「お声が小さくて聞き取りにくいのですが」と言ってしまうのは間違いです。

この言葉は日本語としても敬語としても決して間違ってはいないのですが、相手に対して「声が小さい」と指摘するのは失礼にあたります。あくまでも遠回しに「電話が遠いようなので」と表現すべきでしょう。電話が遠いというのはまだ黒電話時代に、電話の音質が悪かった頃の表現方法ですが、これもまた慣例として現代でも生き続けているのです。