「大丈夫です」は敬語ではありません!

最近の若い人が会話の中でよく使う言葉に「大丈夫です」があります。だいたい30代以下の人に多いようですが、口癖になっている人もかなりいるようなので注意が必要です。「大丈夫です」は「相手の提案を体よく断る」際に使われる言葉で、使っている本人としてはキツイ断り方、拒否の仕方にならなによう配慮しているつもりなのですが、相手が目上の人や顧客であった場合にはとても失礼にあたるのです。

では、大丈夫です、はどのような敬語に直すべきなのでしょうか。尊敬語と謙譲語に分けてそれぞれ考えてみましょう。

「大丈夫です」を尊敬語で言うには?

大丈夫ですは相手からの提案を断る際に使う言葉であることは先程説明した通りです。この「断る」という自分の意思についてはいろいろなレベルがありますので、それに応じたフレーズを選ばなければなりません。

例えば、相手からの提案はとても嬉しいのだけれども礼儀として遠慮しておこう、という場合は「お気遣いありがとうございます」や「ありがとうございます。お気持ちだけ頂戴致します」など、相手に感謝の気持ちを伝えつつ断る事が大切です。

一方で相手からの提案があまり好意的なものでなかったり、ピシッとした態度で断りたい場合は「ご遠慮申し上げます」や「お断り申しあげます」、「結構でございます」と伝えるようにしましょう。


「大丈夫です」を謙譲語で言うには?

「断る」をそのまま謙譲語にしてしまうと「お断りします」となるのですが、これではちょっと不躾というか冷たい印象がありますよね。もう少し柔らかい表現の仕方はないものでしょうか。

例えば「前向きに検討させて頂きます」という言い方も一つのテクニックです。すぐに返答しにくい場合に使えますね。

また、「私にはあまりにもったいないお話ですので…」としても良いでしょう。ただ、あまり仰々しくなりすぎると感じる場合は素直に「ご容赦いただけませんでしょうか」でも構いません。

若者言葉も一般的に定着してしまえば今後「正しい日本語」として認知されるかもしれませんね。「大丈夫です」も使い慣れている者同士としてはとても便利な言葉です。ただ現状ではやはりビジネスシーンでは使わない方が無難と言えるのです。